「運動が苦手だったから、もう運動しない」はもったいない|50代からでも変わる身体の動かし方
監修:ライトジム運動科学チーム
本記事は、健康づくりに関する情報提供を目的としています。痛みや持病などがある方は、運動を始める前に医師等の専門家へご相談ください。
「昔から運動が苦手だった」
「体育の授業が嫌いだった」
「スポーツは学生時代まで」
そんな経験から、大人になってから運動する習慣がなくなった方は少なくありません。
特に50代以降になると、
「今さら運動を始めても遅いのでは?」
と感じることもあるでしょう。
しかし、運動が苦手だったことと、これから身体を動かせないことは別の話です。
運動には生まれ持った身体的な特徴も関係しますが、身体を思い通
そして、その「学ぶ力」は年齢とともに完全になくなるわけではありません。
「運動神経がない」は本当に才能だけで決まる?
「運動神経がいい」という言葉はよく使われます。
走る、跳ぶ、投げる、バランスを取るなど、身体を上手に動かす能力をまとめて表現した言葉です。
実際の動作には、脳が動きを計画し、身体の状態を感じ取り、神経を介して筋肉を動かし、その結果をもとに次の動きを調整するという複数の過程が関わっています。
同じ動作を繰り返すことで、こうした動作の調整が少しずつ上達していきます。
これは運動学習と呼ばれるものです。
運動の練習によって脳の神経活動や神経回路の使われ方が変化することも分かっており、こうした脳の適応能力は「神経可塑性」と呼ばれています。(sciencedirect.com)
つまり、運動の上手さを「生まれつきの才能」だけで考える必要はありません。
年齢を重ねても運動は学習できる
では、こうした運動学習は若い人だけのものなのでしょうか。
そうではありません。
加齢によって、反応速度や筋力、バランス能力などには変化が生じます。
一方で、高齢者にも新しい運動技能を学習する能力が残っていることが研究で示されています。
2024年のレビューでは、加齢によって運動学習の特徴は変化するものの、高齢者もトレーニングによって運動技能を向上させることができ、運動学習に伴う脳の構造・機能の変化も確認されていると整理されています。(pubmed
そのため、
「若い頃に運動していなかったから、もう身体は変わらない」
とは言えません。
50代から運動を始める人もいる
ライトジムにも、学生時代までスポーツをしていたものの、その後長く運動から離れていた方がいます。
また、50代以降になってから本格的に運動を始めた会員の方もい
これまで運動をしてこなかった人にとっては、最初から激しいトレーニングをする必要はありません。
立つ、歩く、しゃがむ、腕を動かす、バランスを取る。
そうした基本的な動作を経験しながら、少しずつ身体の使い方を覚えていくことも運動です。
「昔は運動が苦手だった」という経験があっても、それがこれからの身体の可能性を決めるわけではありません。
運動は「筋力」だけを鍛えるものではない
運動というと、筋肉を鍛えることをイメージする方も多いでしょう。
もちろん筋力は重要です。
しかし、身体を動かすには、
・バランスを取る
・姿勢を保つ
・力を入れるタイミングを調整する
・身体の位置を感じる
・複数の動きを組み合わせる
といった能力も必要です。
そのため、運動経験が少ない方の場合、重いものを持つことだけではなく、身体を上手に動かす経験を増や
「できない」ではなく「経験が少ない」場合もある
初めて自転車に乗ったとき、最初から上手に乗れる人はほとんどいません。
バランスを崩し、ペダルをうまく踏めず、何度も練習する。
それでも繰り返すうちに、身体が動きを覚えていきます。
運動も同じように、経験の少ない動作は最初からうまくできなくても不思議ではありません。
だから、
「自分は運動ができない」
と決めつけるのではなく、
「まだその動きに慣れていない」
と考えてみることもできます。
運動を始めるなら、まず「できること」から
運動習慣がない人が、いきなり激しい運動をする必要はありません。
まず歩く。
軽く身体を動かす。
基本的な動作を練習する。
慣れてきたら少し負荷を上げる。
こうした積み重ねでも、身体は変化していきます。
大切なのは、過去の運動経験と比較することではなく、今の自分に
「運動が苦手だった人」にも運動する場所が必要
運動経験が豊富な人だけがジムを利用するわけではありません。
むしろ、
「これまで運動してこなかった」
「何をすればいいのか分からない」
「一人で運動するのは不安」
という人にも、身体を動かす場所は必要です。
ライトジムでは、スタッフに相談しながら運動することができます。
最初から本格的なトレーニングをするのではなく、自分の身体の状態に合わせて少しずつ始めることもできます。
50代からでも「これから」はつくれる
運動能力には、生まれ持った身体的な特徴やこれまでの経験など、さまざまな要素が関係しています。
だからこそ、「誰でも同じように運動が得意になる」と言うことはできません。
しかし、運動技能は学習でき、
50代、60代からでも、身体の使い方を学び、筋力やバランス能力などを高めていくことは可能です。(pubm
学生時代にスポーツをしていたか。
運動が得意だったか。
体育の成績がどうだったか。
それだけで、これからの運動習慣を決める必要はありません。
「昔は運動が苦手だった」からこそ、
それも一つの健康習慣ではないでしょうか。
こんな方にも運動はおすすめです
・学生時代以来、ほとんど運動していない方
・昔から運動が苦手だった方
・体育やスポーツが好きではなかった方
・50代、60代から運動を始めたい方
・身体が思うように動かなくなったと感じる方
・筋力だけでなく身体の使い方も身につけたい方
・健康のために運動習慣をつくりたい方
・何から始めればいいか分からない方
まずは身体を動かすところから
運動は、学生時代までで終わるものではありません。
今まで運動してこなかった人も、年齢を重ねた人も、できることから少しずつ始めることができます。
「運動神経がないから」と決めつけるのではなく、
「今までやってこなかったから、これから覚えていく」
という考え方もできます。
身体を動かすことに、遅すぎるということはありません。
この記事の監修・参考情報
厚生労働省
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
健康づくりにおける身体活動・運動の考え方を参考にしています。
Gooijers et al., 2024
Aging, brain plasticity, and motor learning. Ageing Research Reviews.
加齢と脳の可塑性、運動学習についてまとめたレビュー。加齢によって運動学習の特徴は変化するものの、高齢者にも運動技能を学習する能力があり、トレーニングに伴う脳の変化が生じることが整理されています。(
van der Fels et al., 2018
The beneficial effects of different types of exercise interventions on motor and cognitive functions in older age: a systematic review.
高齢者における運動介入と運動機能・認知機能について検討したシステマティックレビューです。(pu
Kantak & Winstein, 2012
Learning-performance distinction and memory processes for motor skills.
運動技能の学習や、練習による運動能力の変化について参考にしています。
